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コラム - 建築版温故知新(古きをたずねて新しきを知る)

歴史的建造物について(前編)

はじめまして、今回からカーサナビのコラムを担当させていただくことになりました、(社)住宅生産団体連合会の菅澤と申します。主に歴史的観点からのコラムを書いていきたいと思いますので、宜しくお付き合い頂きたいと存じます。

私自身は、大学で建築史を専攻した後、住宅メーカーに入社しまして、技術系の担当しそうなこと(現場管理、設計、スタッフ、教育、他)を大体は経験をしました。現在は住団連という住宅業界のトップ団体に移りまして、住宅業界全体に関わる様々な調査・提言などの活動をしております。建築の法規制や技能者育成、リフォームや中古住宅流通など、担当内容は多岐にわたっていますが、なかなか思い通りにいかないものばかりです。建築史は会社に入ってからも趣味として続けておりましたが、今回このような機会を頂きましたので、分かりやすいコラムを目指して頑張ります。宜しくお願い致します。


今回から、建築の歴史的な側面について、様々なテーマを取り上げて、解りやすく述べてみたいと思いますので宜しくお願いいたします。

まず、日本の歴史的建造物(古建築)について話してみたいと思います。古建築といっても様々なものがあって、一概には言えませんが、一つの尺度になるものが「重要文化財指定」です。これは文化財保護法という法律で規定されるもので、その中にもいくつかの種類があり、国指定・都道府県指定・市町村指定と現在3段階の指定がされています。さらに国指定の重要文化財のなかから、特に重要なものが国宝に指定されます。有名無名はあまり重要ではなく、歴史的・美術的・文化的に重要かどうかが尺度になります。例えば最も重要と認定されている国宝建造物でも全く無名のものが数多くあります。皆さんは東京都内に1件しかない国宝建造物を御存知でしょうか?まず大半の方々は御存じないと思います。(東村山市にある室町時代建立の正福寺地蔵堂)

国宝に指定されてもおかしくないのに指定されていないものもあります。直接目にした人は少ないかもしれませんが、京都に桂離宮という著名な建物があります。歴史的価値から言えば間違いなく国宝ですが、現在でも無指定です。これは皇室の財産にランクを付けるなどおこがましいという考え方から来ています。同じ理由で東大寺の正倉院という著名な建物もつい最近まで無指定でした。H9年5月に新たに国宝に指定されましたが、これは世界遺産に指定を申請する際に、国内法での指定が前提になるというユネスコの規定によるものです。

桂離宮

H12年10月1日現在で、建造物で国指定の重要文化財は2191件、国宝建造物は209件あります。これは他の分野(工芸品や絵画など)に比べても遜色のない件数(重要文化財全体で12192件、国宝全体で1056件)です。規模が大きく持ち運べない建造物は、特に火災に弱く、古いものが残りにくいという宿命を持つのは当然ですが、そのためか建造物は比較的に新しくても指定されやすいのです。例えば、平安時代建立の建物はほとんど国宝指定ですが、同時期の仏像では国宝指定は少なく、重要文化財クラスが多くなっています。

日本の歴史の中では何度も古建築にとって受難の時期がありました。古いところでは、平安末期 (平重衡)と安土桃山期(松永久秀)の二度にわたる南都(奈良)の焼き討ちや京都洛中を焼け野原にした応仁の乱などが筆頭でしょう。南都焼き討ちではその都度、興福寺や東大寺などが灰燼に帰しました。そのたびこれらの寺院は復興を遂げたわけです。応仁の乱のために洛中には平安時代の建造物はほとんど残っていません(洛外には平等院や醍醐寺など平安時代の建造物がかなり残っています)。その他にも新田義貞による鎌倉幕府打倒時の戦乱で鎌倉には鎌倉時代の建造物は一つもありません(一番古いのは室町時代建立の国宝円覚寺舎利殿)し、織田信長による近江〜比叡山一帯の焼き討ちでも多くの寺院が失われました。

この続きは次回に述べたいと思います。

 
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